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大規模イベント会場をくまなく回遊する施策としての活用事例

株式会社ドワンゴ様

「ニコニコ」最大のライブイベントとしてドワンゴ様が主催する「超パーティー」にて、さまざまな特設エリアをくまなく回遊する施策として活用いただいた事例です。来場者の満足度を高めるとともに、大型イベントにありがちな過疎・過密エリアの発生という課題を解消することに貢献しました。

解決すべき課題
  • たくさんの特設エリアを用意するので、会場内を回遊してさまざまなコンテンツに触れてほしい
  • 過疎・過密エリアを解消したい
  • イベント内容が固まっている中で、さらに来場者の満足度を高められるコンテンツを用意したい
対応方針
  • イベント会場のいたるところにチェックポイントを設定することで来場者が自然と全エリアを訪れるように
  • 特定の場所に滞留しすぎないように順不同でチェックポイントをバラつかせ、二周回遊させるなどの工夫を施した
  • イベント全体のコンセプトを謎に落とし込み、謎解きファンではなく「ニコニコファン」に刺さる内容に
対応範囲

企画・制作、会場設営、広報、アプリの運用・保守等

謎解きを活用してイベント会場をうまく回遊させたい

株式会社ドワンゴ様が主催するニコニコ最大のライブイベント「ニコニコ超パーティー2022」は、新型コロナウイルスの影響もあり直近数年間はリアルで開催することができず、このとき実に4年ぶりとなるリアル開催ということで大いに期待を集める大規模イベントになっていました。

長らく復活を待ち望んでいたであろうニコニコファンユーザーのために、同イベントでは新しい試みとしてライブイベントの開催前からイベント会場のさいたまスーパーアリーナを開放し、人気絵師のイラストを展示した「超絵師展」や一般ユーザーが自由に参加できる「超歌ってみた」「超ストリートピアノ」など、さまざまなイベントエリアを設け、ライブ前から丸一日楽しめる多方面の音楽フェスとして来場者を待ち構えていました。

しかし、こうした大規模なイベントでは来場者が特定のエリアに固まってしまったり、逆に立地的に不利なエリアにはなかなか人が集まらなかったりといった過疎・過密エリアの問題が発生しがちでユーザーの動きをコントロールできるような施策が求められていました。

そこで、会場内のさまざまな場所に手がかりを設置して全てのエリアを回遊させるような周遊型の謎解きイベントを同時開催することで、こうした問題を解消しつつ、来場者の方々に新しい楽しさを提供できる企画を目指すことになりました。

イベント全体のコンセプトを落とし込んだ謎解きの制作

やるからには、しっかりとニコニコファンに楽しんでもらえる謎解きを制作したい。そう考えた私たちは謎解きイベントの軸を超パーティー全体のコンセプトである「五感で、くらえ」というテーマに定めることにしました。コロナ禍の影響で、五感全部を使った体験ができる機会が減ってしまった人々に痛烈に刺さる、とても強いメッセージ性を持ったコンセプトだと感じたからです。

謎解き全体のテーマは「五感を使うこと」に決まりました。制作会議では、この目標を果たしてもらうためにさまざまなアイデアが飛び交いました。食べられる紙や香り付きの栞を使うなどさまざまな案が出たなかで、参加者ひとりひとりのキットに特殊な加工を施すようなものはどうしてもコストがかさんでしまうため、チェックポイントの手がかりで五感を使えるようにしたいという話になりました。一方で、初めから五感を使うことが透けていると少々面白みに欠けてしまう…。現実的な費用感で最大限の体験価値を生むためにはどうしたらいいか、ということを重点的に議論しながら、企画を練っていきました。

最終的に到達したのは「初見では五感を使わずに解けるのだが、実は五感を使った解放もある」という仕掛けです。同じ謎を、全く違う方法によって”解き直す”ことができるという謎解きらしい手法で、参加者の人々をアッと驚かせることができないか、と考えたのです。次の謎は、実際の謎解きで登場した謎のひとつです。

最初に手に入る謎解き用紙
超ストリートピアノエリアにある手がかり

超ストリートピアノのエリアにはピアノの鍵盤をイメージした謎の手がかりが設置されていました。手元の紙の謎と組み合わせて解き明かしていきましょう。
「”ミソ”し=わたし」であると書かれているので、鍵盤の「ミ」と「ソ」からあみだくじを逆にたどってみましょう。「ミ」から伸びている線を上にあみだくじの要領で辿っていくと「わ」に、同じように「ソ」は「た」に繋がっていることがわかります。ピンク色のカタカナはそれぞれ鍵盤の音からあみだくじをたどった先にある文字に変換される、ということがわかります。
この法則に則って考えると「シドれミファ」は「はなれわざ」になることがわかります。超人的な演奏を見せるストリートピアノの奏者たちをイメージしたアンサーワードですね。

謎解きを解き進めていくと、これまでの謎を全て「五感で、解き明かせ」という指示が出てきます。そこでもう一度このエリアに行ってみると、実はこの場所では常に「あるピアノの音」が流れていることに気づきます。注意深くその音を聞き、音階を判明させると先ほどの謎から新たな答えが浮かび上がってくるのです。

音楽が大好きなニコニコユーザーだからこそ人一倍楽しめるような謎解きになりました。

近くで流れているピアノのメロディを注意深く聞く参加者たち

一方こちらは、いわゆる”間違い探し”のような謎で、イベントのキービジュアルのイラストをうまく加工したイラストを作り、「左右で異なる場所」にある文字を読んでいくという問題。
最初は当然のように「視覚情報」を頼りに間違いを見つけて答えを導き出しますが、五感を使って解くことができると知った参加者は恐る恐るこのパネルに触れてみます。すると、実はイラストには”手触り”が違う場所があるという「触覚」を使って解くことができる謎だったということに気づきます。

多くのファンを持つ人気絵師による作品を謎解き化

このように、超パーティーやニコニコの文化をしっかり落とし込みつつ、コンセプトの「五感で、くらえ」を最大限表現した本作は、2日間の開催でなんと2,000人もの人が参加する人気企画になったのです。

ニコニコのファン層とも高いシナジーを痛感

黎明期のインターネット文化をけん引してきたニコニコのユーザーたちは「好き」のエネルギーがとても高い人々です。自分たちが大好きなコンテンツへの愛を惜しまず、とことん追求する姿勢を持っています。そんな熱量を持った人々が謎解きという知的遊戯に出会ったときに、私たち制作者側の想定をはるかに超える勢いでのめりこんでくださるのだということを強く実感しました。

Twitterを中心としたSNSでも「超パ謎」の感想やクリアツイートが大量に流れ、多くの人々が興奮を発信してくださったこともイベント全体を盛り上げるうえで大きな価値になったと感じています。実はこの謎解きでは、謎を解き始めてから最後の答えに到達するまでの時間を計測し、クリアタイムによる「ランキング」を表示する機能を開発していたので、このランキング上位に食い込もうとRTA(タイムアタック)しながら謎解きに挑戦するような参加者もおり、生配信をしながら謎を解くような姿も多く見られました。

左:謎解きクリアまでの時間を計測したランキング/右:クリア者だけがもらえる限定ステッカー

一方で、そうした強い熱量を持った人々はなにもニコニコユーザーに限ったものではありません。さまざまなジャンル・業界でその熱量を持った活動をしている人々がいます。こうした人々にしっかりと楽しんでもらえるようなイベント設計ができるという点が、私たちの強みだと考えています。

実際の参加者の声

・超パ謎、めっちゃくちゃ面白くて感動した!!!謎解きのクオリティめっちゃくちゃ高かった
・謎解きめちゃくちゃ難しかったけど解けたらスッキリした!!!
・超パ謎、ちょっと尋常じゃない難易度なので頭イカれてる(最高)
・謎解き、思ったよりボリュームあって面白かった☺️
・超パ謎解きめっちゃ奥深くて面白いです。クリアタイムも設けられていて後々混むので、先に済ませたい用事がなければ真っ先に謎解きをするのをおすすめします。
・ノーヒント8位〜・:*+.(( °ω° ))/.:+意外と難しいぞこれw
・ゆっくり回りすぎて普通に一時間オーバーしちゃった、ダントツ最下位な気がする()こういうの初めてだったけれど、謎の完成度が高くて楽しかったです。
・難しかったけどラスト気持ち良かった!なるほど五感…
・超パ謎、制覇致しました(ものすごくスカっとした
・超パ謎はヒント貰いまくって何とかクリアしました👏👏👏鬼ムズでした…

※「#超パ謎2022」で検索いただくとさらに沢山の感想ツイートを確認いただけます。

受付には一日中長蛇の列が
手がかり前には多くの参加者の姿
奥まったエリアにも参加者が来訪

このイベントについての詳細情報はこちら

公式サイト:https://choparty.jp/
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000069223.html

ミュージック超会議は、「音楽を愛する全ての人(だいたい)が集まる場所」をコンセプトに、春のニコニコ超会議に続いてリアルとネットで開催するニコニコ史上最大の音楽イベントです。ボカロ・歌ってみた・踊ってみたなど動画投稿祭を中心としたネット企画の7日間と、さいたまスーパーアリーナで行う2日間のライブイベントをつなぎ、計9日間にわたり開催します。本イベントは、アーティストのパフォーマンスを観客が鑑賞するという一方向の音楽フェスの形式に捉われず、ユーザー自身がクリエイターとして作品を発表し、また観る側は視聴やコメント、ギフトを通してお気に入りを応援するなど、あらゆるユーザーが色々な形で音楽愛を表現しながら参加できる企画を展開する、新時代の音楽フェスです。 【日時】2022年10月8日(土)〜10月16日(日)
┗ネット:10月8日(土)~16日(日)
┗リアル:10月15日(土)・16日(日)
【会場】ネット開催:ニコニコ公式サイト・総合TOP(https://www.nicovideo.jp/
リアル開催:さいたまスーパーアリーナ
【主催】ドワンゴ
【ミュージック超会議 公式サイト】https://chokaigi.jp/
【twitter公式アカウント】https://twitter.com/chokaigi_PR

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